作成の背景
平成16年台風16号・18号による高潮被害
■概況台風16号は、鹿児島県に上陸し周防灘を横断し中国地方に上陸しました。台風半径が180kmと大きいことが特徴で、瀬戸内海では大潮にあたり広島県下では、呉港、福山港で既往最高潮位を記録しました。 ![]() |
■台風進路![]() |
■気象・海象状況
発生年月日 | 台風名 | 広島県下の被害状況 | 気象・海象状況 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
死者 | 床上 浸水戸数 |
床下 浸水戸数 |
最高潮位 (T.P.m) |
最大風速・風向 | ||
昭和51年9月13日 | 台風17号 | 16 | 321 | 6,353 | 2.02m | 21.5m/s(S) |
昭和53年9月15日 | 台風18号 | - | 303 | 3,730 | 2.46m | 19.4m/s(SSE) |
昭和55年9月11日 | 台風13号 | - | 52 | 2,961 | 2.26m | 18.4m/s(S) |
平成3年9月14日 | 台風17号 | 1 | 1 | 35 | 2.12m | 23.1m/s(S) |
平成3年9月27日 | 台風19号 | 6 | 3,005 | 9,162 | 2.92m | 36.0m/s(S) |
平成11年9月24日 | 台風18号 | 5 | 141 | 1,033 | 2.87m | 32.1m/s(SSE) |
平成16年8月30日 | 台風16号 | - | 1,379 | 5,799 | 2.90m | 12.7m/s(SSW) |
平成16年9月07日 | 台風18号 | 5 | 860 | 3,128 | 2.77m | 33.3m/s(S) |
昭和20年9月07日 | 枕崎台風 | 2,558 | 24,168 | 28,358 | - | 30.2m/s(N) |
昭和26年10月15日 | ルース台風 | 166 | 5,726 | 17,863 | - | 33.9m/s(S) |
注)潮位の値は広島港、風の値は広島地方気象台の記録を示す。
広島港の最大潮位偏差(※1)は、台風18号で1.77m(台風16号で1.48m)を記録し、平成11年の18号の既往最高の1.83mに次ぐ大きい値が発生しました。過去50年間の上位3位の潮位偏差が、僅か5年間で発生したことになりました。
(※1)潮位偏差:気圧の変化や風の吹き寄せ等により上昇する海面の高さ。なお、最高潮位は(=潮位偏差+天文潮位)により定まります。
■被害状況
台風16号及び18号による広島県下各市町の浸水被害発生状況では、台風16号で浸水棟数7,178棟、台風18号で被災棟数3,988棟となりました。台風18号ではこの他に強風等による家屋の損壊等の被害が多く報告されています。
台風毎の特徴を見ると台風16号では広島県中部竹原市から東部福山市の被害が大きく、台風18号では特に呉市の被害が大きいという特徴がありました。
項目 | 16号 | 18号 | |
---|---|---|---|
人の被害 | 死者 | 0 | 5 |
行方不明者 | 0 | 0 | |
重傷 | 4 | 24 | |
軽傷 | 5 | 118 | |
人の被害計(人) | 9 | 147 | |
住家の被害 | 全壊 | 1 | 27 |
半壊 | 4 | 204 | |
一部損壊 | 88 | 16,582 | |
床上浸水 | 1,379 | 860 | |
床下浸水 | 5,799 | 3,128 | |
住家の被害計(戸) | 7,271 | 20,801 |
■被害写真
台風16号による被災状況
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竹原市 | 福山市鞆地区 |
台風18号による被災状況
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廿日市市 厳島神社 | 呉市天応地区 |
出展:「高潮浸水被害防止緊急調査業務(平成17年3月)」(広島県)